集中治療部(ICU・CCU)
集中治療部(ICU・CCU)のご案内
ご紹介
急性期疾患への医療の重視から、当院では平成8年度より救急医療を開始、さらに平成9年度より循環器科を創設するとともに、ICUも本格的に稼働しました。開設にあたって、当時の呼吸器外科部長(前外科部長)大野喜代志先生、中村康子看護師長を中心に、スタッフ全員の尽力により、ICUを軌道に乗せることができました。平成10年に集中治療専門医である麻酔科の林が赴任し平成14年からICU担当部長として活躍し、平成18年から麻酔科中谷が後任となり、平成24年1月から麻酔科栗田が現在、集中治療部部長として業務にあたっています。
当院ICUは厚生労働省が認めた特定集中治療施設であり、また日本集中治療医学会が認可した集中治療専門医研修施設でもあります。
平成21年10月から、7-1病棟に循環器ケアルームが開設されたのを契機にICUの名称をICU・CCUに変更し、循環器疾患の患者さんの受け入れを積極的に行っています。
ベッドは10床で運営しております。
入室される患者さんは、開頭術や心臓大血管手術、食道がん根治術などの大手術後の患者さんをはじめ、救急で搬送された心筋梗塞や肺炎、敗血症や意識障害など全身状態の不安定な患者さん、一般病棟に入院中に様態が悪化した患者さんなどです。
治療に関しては、各診療科の専門知識を駆使しながら、より安全により高度な治療を施し、さらに感染コントロールチームや栄養サポートチームなどと密接な連携を保つことにより、生命の危機に瀕した状態から一刻も早く離脱できるよう心がけております。
現在(平成23年、1月)
● 専従医師3名
● 看護師29名(うち2名は重症集中ケア認定看護師)
● 看護助手1.5名
● 臨床工学技師1名(ME部としては8名)
から構成され、これに、患者さんの所属する科の医師を含む関連分野の各担当者が患者さんへの治療方針の決定に参加し(チーム医療を重視しています)、一丸となって治療看護にあたっています。
ICUに入ったらもうあかん、だめだとか、もう帰ってこれないとか考えがちですが、ICUとは決してそういう部門ではありません。回復の見込みのある患者さんに対して、より質のよい回復を、より合理的に行うところとお考えください。
当院ICUは、単に患者さんの延命のみを目的とせず、その生活の質を尊重した、全人的見地にたった集中治療をめざし、患者さん、ご家族の皆様にとりまして、わかりやすい、理解できる、納得できる治療をめざしています。
お気軽にお立ち寄りください。スタッフが懇切丁寧にご説明いたします。
特徴
環境条件・機械器具
当院ICUでは、厚生労働省の定めたICUの施設基準としての環境条件、機械器具の設置はもとより、その他に患者さんへの処置や治療に必要な最高級の設備を備えています。以下に、主なものを列挙させていただきます。● 天井懸垂型の治療環境整備機器:
スペースは充分に確保されていますが、この機器の設置により、各種監視機器、酸素吸入器、吸引器、輸液ポンプなどを一挙に搭載でき、また空間での移動が可能な為、患者さんの急変時には、治療処置を自由に実施できるスペースが確保されています。
● 人工呼吸器:
現在、10台のサーボベンチレーターを配置しております。そのうちサーボiベンチレーターは成人だけでなく、新生児の呼吸管理にも対応でき、より幅の広い呼吸管理が可能です。
● 間歇血液透析装置1台、持続血液濾過透析装置3台、補助循環装置(IABP)2台、経皮的心肺補助装置2台、血液ガス分析および電解質測定装置1台、超音波診断装置1台、気管支ファイバースコープ2本を常備しています。
● ビデオ監視カメラを各ベッドに設置し、急変した患者さんの早期の把握に備えています。
さらに、各ベッドのモニターを看護師詰所で一括管理モニターすることにより、安全に全身管理を行えるよう努力しております。
集中治療室研修内容
大阪病院では、初期臨床研修のプログラムに、麻酔科研修を必須としており、その期間にICUでの治療も経験できるよう配慮しております。また、2年目の選択期間にICU研修を選択することも可能です。麻酔科とICUは密接なつながりがあり、研修するにあったても融通が利きます。麻酔科では主に、全身麻酔、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔の手技や麻酔管理を研修していただきますが、ICUにおいては、気管挿管以外にも輪状甲状膜穿刺や経皮的気管切開術、気管支ファイバーの扱いなど呼吸管理に必要な手技と人工呼吸管理の知識、鎮静薬の種類と使用方法、血管作動薬の使い方、中心静脈ルート確保、持続血液透析回路の組み立てから実施など、術後管理から重症多臓器不全の全身管理、さらには救急蘇生法などを研修していただきます。
最終更新日:2014年7月3日