臨床試験・臨床研究医学倫理委員会について
◇当院の臨床研究について
臨床研究とは、人を対象に行われる医学系の研究です。研究の範囲は、生命科学や基礎医学、治験と広範囲に及びます。研究は、病気の予防・診断・治療方法の改善や病気の原因の解明などを目的としています。
人を対象とする医学系研究では、試料(血液、摘出・切除組織など人体に係るもの)や情報等も対象となっており、その保管および利用については、文部科学省・厚生労. 働省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を遵守しなければならないとされています。
臨床研究は稀に発症する病気や長時間を経て発症する病気なども対象となります。通常の診療時には、病気の診断や治療方針の決定、経過観察の為の多種多様な検査を実施しています。検査では、各種試料を採取することがありますが、これらは「人を対象とする医学系研究」では大変貴重なものであり、医療の進歩に貢献することを目的とした、診療情報との関係を解析するための研究に役立つものとなります。ただし、多くの方々のご理解・ご協力がなければ、叶うものではありません。
人を対象とする医学系研究の為に使用する検査時等に採取した試料や診療情報などは、患者さまの同意を得ると共に、個人情報の保護、人格やプライバシーの厳守のもと、どのような研究がなされるのかについて、当院の医学倫理委員会にて厳正な審査を行い、その結果、審査で承認されたもののみが使用可能となります。また、患者さまは、一度同意をされたとしても、希望により同意を撤回することが出来ます。
◇臨床試験や治験との違いについて
臨床試験とは、臨床研究を行う中で、薬剤、治療法、診断法、予防法に介入し安全性と有効性について結果を評価することを目的としたもの、治験は、臨床試験の中で、新しい薬や医療機器が診療に利用可能のとなるように、国の承認を得る客観的なデータ収集を目的として行うものとされています。
◇臨床研究情報の公開について(オプトアウト)
当院では通常、患者さまの診療情報を取得する臨床研究を実施する際には、患者さまに文書もしくは口頭で研究内容を説明し、同意を得た上で実施します。
臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や診療内容への介入もなく診療情報等のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施に関する情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされています。このような手法を「オプトアウト」と言います。
ご自分の記録について当該研究での使用を望まれない場合は、記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、希望されない場合は、該当する研究の担当者までお知らせください。
◇プライバシーの保護
究結果は学会や医学雑誌などに発表されることがありますが、患者さま個人が特定されるような情報公開はなされません。お名前や住所などが明らかになるようなこともありません。
●利益相反
臨床研究における利益相反とは、「主に経済的な利害関係によって公正かつ適正な判断が歪められてしまうこと、または、歪められているのではないかと疑われかねない事態」のことを指します。
当院で行われる研究の利益相反については当院の利益相反審査(COI)委員会で審査され、不適切な研究に繋がらないよう管理されています。
最終更新日:2023年11月05日