独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院

脳神経外科

脳神経外科

脳神経外科後期研修(専門医育成)プログラム

21世紀になり、人体最後のフロンティアである脳研究が注目されています。脳神経外科は、臨床神経科学として、唯一、脳・神経を直接治療、つまり手術の対象としています。これは臨床・研究にあたって、選択肢が多くあることを意味しています。画像診断や遠隔手術など医療技術の進歩にも目覚ましいものがあり、脳神経外科でも最新の科学成果を積極的に取り入れています。これらの進歩に伴い脳神経外科が、取り扱う疾患や治療法は増加し、今後ますます発展していくものと思われます。

社会の変化も、脳神経外科を必要としています。日本の人口は、どんどん高齢化しています。脳卒中は、死亡原因として第3位ですが、同じ動脈硬化病である心疾患と合わせると癌の死亡数と匹敵します。また、脳卒中は、要介護となる原因として第1位であり、今後の日本を考えていく上で最も重要な疾患となっています。当院では、国際水準の脳卒中診療を行うため、2006年より、Stroke Care Unit(SCU)を開設し、脳神経内科とともに、独立して脳卒中当直(SCU当直)を行っています。2019年より、1次脳卒中センター(PSC)、2022年より、1次脳卒中センターコア(PSCコア)として、施設認定をされています。脳卒中に、24時間365日対応し、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の緊急手術にも対応しています。直達手術のみではなく、積極的に血管内治療に、取り組んでいます。

当院脳神経外科は、かつて、日本脳神経外科学会専門医訓練施設(A-111)として、独立した専門医養成施設として認定されていました。
2011年より、新研修医プログラムが開始され、大阪大学脳神経外科を基幹病院とした脳神経外科専門研修プログラムの連携施設として、専攻医の指導を担っています。

脳神経外科が関係している分野(専門医):

  • 脳神経外科一般(日本脳神経外科学会)
  • 脳血管内治療(日本脳神経血管内治療学会)
  • 頭部外傷(日本脳神経外傷学会、日本救急医学会)
  • 脳卒中診療(日本脳卒中学会、日本脳卒中の外科学会)
  • 脳卒中リハビリテーション(日本リハビリテーション医学会)
  • 脊椎・脊髄外科(日本脊髄外科学会)
  • 脳腫瘍(日本脳腫瘍学会、日本脳腫瘍の外科学会)
  • 機能脳神経外科(日本定位・機能神経外科学会)
  • 小児脳神経外科(日本小児神経外科学会)

1.後期臨床研修の目安

(日本脳神経外科学会と大阪大学脳神経外科の脳神経外科専門研修プログラムに準じます)
1年次:入院患者管理、脳血管撮影助手・手術助手
2年次:外来診療、脳血管撮影術者、ドレナージ術者
3年次:簡単な腫瘍摘出術・血腫除去術、シルビウス裂開放手技取得
4年次:脳動脈瘤クリッピング術、脳腫瘍摘出術・術者

2年次以降の研修は、当院以外の大阪大学あるいは、その関連施設での研修が可能です。

当直(SCU当直)  
日直(土日、祝日) 1回/月
当直 2-4回/月

大阪大学脳神経外科専門研修プログラムの詳細
➤脳神経外科専門研修_大阪大学プログラム
➤脳神経外科専⾨研修プログラム
➤大阪大学脳神経外科Webサイトはこちら

2.臨床教育プログラム

SCU新入院症例報告会 週5回     
SCU症例検討会・回診 週1回(火曜日)
脳外科入院症例検討会 週1回(火曜日)
脳外科術前・術後検討会 週1回(火曜日)
ICU回診 不定期
抄読会 不定期

3.脳神経外科診療指針

  • 患者さんの立場から納得のいく安心できる医療
  • 国際水準の最新の治療
  • 疫学的証拠に基づいた予防治療
  • 定位放射線治療などでは、病院の枠を超えた、最適な治療法の選択

4.2022年実績

専従脳神経外科医 4名(専門医・指導医3名)(2023年4月)

年間入院症例数 405例
年間手術症例 144例
脳腫瘍手術 11例
脳血管障害手術(直達手術) 23例
脳動脈瘤クリッピング術 5例
血管内手術 52例
脳動脈瘤コイル塞栓術 15例
頚動脈ステント留置術(CAS) 6例
機械的血栓回収術(MT) 27例
頭部外傷 26例
水頭症 19例
その他 13例