独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院

診療科のご案内

消化器外科

morimoto
森本 修邦
もりもと おさくに
役職
外科診療部長
経歴
1994年 富山大学医学部卒業
専門分野
肝胆膵疾患
資格
医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本肝胆膵外科学会高度技能指導医・評議員
日本消化器病学会専門医・指導医・近畿支部例会評議員
日本肝臓学会専門医・指導医・西部会評議員
日本膵臓学会認定指導医
ICD(Infection Control Doctor)
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
近畿外科学会評議員

特徴

近年、特に消化器外科の分野において著しいのは、内視鏡手術率の向上です。緊急手術、開腹既往例も含めて、70%を内視鏡を用いた低侵襲手術として行っています。
断らない外科を目ざして、急性胆のう炎、虫垂炎、消化管穿孔なども積極的に受け入れています。悪性腫瘍に対しては、術前・後化学療法、放射線治療を含めた集学的治療を行っています。

概要

外科は上部消化管、下部消化管、肝胆膵、呼吸器の4領域に分かれています。
10名のスタッフのうち9名は外科専門医で、消化器外科専門医7名をはじめ、内視鏡技術認定医、食道科認定医、大腸肛門病指導医、臨床代謝栄養認定医などが多数在籍し、高度な医療を展開しています。
また、消化器内科との共同手術にも積極的に取り組むとともに、周術期の栄養管理、リハビリテーション、口腔ケア、緩和ケアにおいてチーム医療を推進しています。

診療実績

診療実績(2022年度)
主な疾患
胃がん 43
肝切除 17
膵領域 16
ヘルニア 70
大腸がん 126
胆のうがん 6
胆石症 145
虫垂炎 57

主な手術実績
外科手術総数 672
消化器外科手術数(うち腹腔鏡手術) 626(486)

消化器外科

詳細について

ご紹介

当グループでは、消化器内科、内視鏡センターとの密接な連繋の下に、消化器疾患を持つ患者さんの診断と治療に、さらに研修医への一貫した教育と指導を行っています。

特徴

食道疾患

食道癌の患者さんには「食道癌治療ガイドライン」に沿った標準的な治療(通常の開胸・開腹による食道亜全摘根治術)を行うとともに、患者さんの状況に応じて胸腔鏡・腹腔鏡下に食道切除術を行い、術後が楽で、傷の小さな手術も行っています。2009年度の食道癌切除症例は10例です。過去10年間に、当科で手術を施行した食道癌の5年生存率は、術後病期0期 85%、Ⅰ期 68.4%、Ⅱ期 55.6%、Ⅲ期 32.8%、Ⅳ期 0% です。胸焼けなどを症状とする食道裂孔ヘルニアの患者さんには腹腔鏡下に修復を行い、やはり術後が楽で、傷の小さな手術を行っています。また、食道アカラシアの患者さんにも腹腔鏡下手術を行なっております。

胃・十二指腸疾患

胃癌の患者さんには「胃癌治療ガイドライン」に沿った標準的な治療(通常の胃切除術、胃全摘術)を行うとともに、早期胃癌の患者さんには状況に応じて内視鏡的粘膜切開剥離術(ESD)(内科、内視鏡センター)、腹腔鏡補助下胃切除術、腹腔鏡補助下胃全摘を行い、術後が楽で、傷の小さな手術を積極的に行っています。2009年度の胃癌手術症例は82例で、うち腹腔鏡補助下手術を26例行っています。加えて胃癌ESD症例は163例(内視鏡センターにて)です。
また、胃全摘を受ける患者さんには腸を胃袋の代わりになるように作り(空腸パウチ間置術)、術後に少しでも多くご飯が食べれるようになる手術も行っております。すなわち患者さんの状況に応じたオーダーメイドの胃癌治療を目指しております。
1999年~2003年に、当科で手術を施行した胃癌の5年生存率は、術後病期ⅠA期 98.0%、ⅠB期 95.5%、Ⅱ期 81.3%、ⅢA期 44.9%、ⅢB期 39.1%、Ⅳ期 31.2% で、2004年発行の「胃癌治療ガイドライン」に収載されている術後5年生存率の成績と較べて遜色ない成績が得られております。
胃・十二指腸潰瘍の患者さんで穿孔を起こされた場合にも腹腔鏡下に孔を閉じ、胃を切らずにお腹に小さな創をつけるだけで終わる手術を行っています(腹腔鏡下穿孔部閉鎖・大網被覆術、2009年度8例)。

肝臓・胆嚢・胆管・膵臓疾患

肝癌の患者さんには「肝癌診療ガイドライン」に沿って、消化器内科(主にRFAなど)、外科(肝切除)、放射線科(TAEなど)で共同してそれぞれの病態に応じて最適な治療が行えるようにしております。胆石、総胆管結石、胆嚢ポリープの患者さんには腹腔鏡下胆嚢摘出術(3000例余の経験)、総胆管切石術を行い、術後が楽で傷の小さな手術を標準としております。膵癌の患者さんには阪大外科とタイアップした治療を行っています。2009年度手術の肝癌症例は19例、胆石・総胆管結石症例は129例、胆嚢・胆管腫瘍症例は26例、膵腫瘍症例は5例です。

腸疾患

結腸・直腸癌の患者さんには「大腸癌治療ガイドライン」に沿った標準的な治療(結腸切除術、直腸切除術)を行うとともに、患者さんの状況に応じて腹腔鏡補助下結腸切除術を行い、術後が楽で、傷の小さな手術を積極的に行っています。2009年度の結腸・直腸癌手術症例は105例です。
1999年~2003年に、当科で手術を施行した結腸癌の5年生存率は、術後病期0期 93.8%、Ⅰ期 89.7%、Ⅱ期 81.6%、ⅢA期 80.0%、ⅢB期 59.3%、Ⅳ期 16.8% で、直腸癌の5年生存率は、術後病期0期 100%、Ⅰ期 90.9%、Ⅱ期 79.4%、ⅢA期 81.6%、ⅢB期 51.4%、Ⅳ期 17.9% で2005年発行の「大腸癌治療ガイドライン」に収載されている術後5年生存率の成績と比べて遜色ない成績が得られております。

痔疾患・ヘルニア

いずれも短期入院(4泊5日)で手術ができるようになっております。ヘルニア(脱腸)患者さんにはプロリンヘルニアシステム(UHS)、メッシュプラグ法、腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP)など最新の手術を行い、術後の安静をとくに必要とせず早期に日常生活に戻れるようになっております。2009年度のヘルニア症例は106例です。

最終更新日:2023年12月18日

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