消化器内科
内科後期研修(専門医育成)プログラム
1.対象
初期臨床研修2年間を終了した者
2.指導医
研修指導責任者:金子 晃
指導医:金子 晃、巽 信之、山本 克己
3.本研修を受けることで取得可能な専門医資格
日本内科学会総合内科専門医
消化器内視鏡学会認定専門医
消化器病学会認定専門医
肝臓学会認定専門医
4.診療科概要
消化器疾患は肝疾患、胆膵疾患、消化管疾患と多くの領域にわたっており疾患数も多いですが、当院では広範囲な消化器疾患に対して積極的に検査や治療を行っています。
肝疾患ではウイルス性肝炎や脂肪肝、自己免疫性肝疾患など多彩は疾患に対応しており、特に自己免疫性肝疾患では大学病院や関連病院との共同研究において中心的な役割を果たしています。肝硬変においては多彩な病態に対して薬物療法を中心に治療に取り組んでいます。肝細胞癌に対してはラジオ波治療やマイクロ波凝固術、肝動脈化学塞栓療法などの局所療法で完治を目指すと同時に、進行した症例に対しては免疫チェックポイント阻害薬を用いた最新の化学療法による治療を積極的に行っています。
胆膵疾患については、急性胆嚢炎や胆管炎、閉塞性黄疸などの多くの救急の入院患者を受け入れており、ERCPによる手技を身につけることができます。また、EUS-FNAによる膵癌の診断にも積極的に取り組んでいます。
消化管では技術レベルの高い指導医の指導の下で消化器内科医としての手技を身につけることができます。早期の食道癌や胃癌、大腸癌に対する治療は内視鏡的粘膜剥離術(ESD)が主流となっており多くの医療機関から紹介され症例数も増加しています。
最近増加傾向にある潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患についても専門医が最新の治療に取り組んでいます。
当院では各領域の専門医の指導を受けることで、幅広い知識と技術を身につけることができます。
5.プログラムの目的
教育プログラムは、多彩な消化器疾患の知識の習得に加えて内視鏡や腹部エコー検査の習得、さらには内視鏡や腹部エコーを使った治療手技を習得し、指導医として若手の医師の指導を行えるレベルに達することを目的とします。
6.プログラム内容
1)肝疾患の診断、治療
肝炎の鑑別診断と治療
肝硬変に対する治療
肝細胞癌に対する治療(ラジオ波治療、マイクロ波治療、肝動脈塞栓術、化学療法など)
2)胆膵疾患の診断、治療
胆道疾患に対する内視鏡手技(ERCP、ENBD、ERBD、EPBD、ESTなど)
胆道疾患に対する経皮的手技(PTCD、PTGBDなど)
膵疾患に対する内視鏡手技(EUS-FNAなど)
胆道癌、膵癌に対する化学療法
3)消化管疾患の診断、治療
内視鏡検査(上部内視鏡、下部内視鏡、小腸内視鏡、カプセル内視鏡)
早期癌に対する内視鏡治療(ESD、EMR)
消化管出血に対する止血術
進行癌に対するステント留置術
消化器癌に対する化学療法
4)救急疾患に対する対処
消化管出血に対する緊急内視鏡と止血術
急性胆嚢炎に対するPTGBD
イレウスに対するイレウス管挿入
腸捻転に対する内視鏡的整復術
急性腹症に対する対処、外科的処置の必要性の判断
5)臨床研究
学会での症例報告や臨床研究の発表、論文の作成の仕方を学びます。
6)到達レベル
消化器内科における疾患数や習得すべき手技は多く、研修期間中にそのすべてを習得することは困難であるが、自分で対応困難な状況における上級医へのコンサルトの方法などについても学びます。