独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院

腎臓内科

腎臓内科

内科後期研修(専門医育成)プログラム

1.対象

初期臨床研修2年間を終了した、卒業3年~5年目までの研修医

2.指導医

腎臓内科指導責任者:鈴木 朗
指導医:鈴木 朗

3.本研修を受けることで取得可能な専門医資格

日本内科学会認定医、専門医
日本腎臓学会腎臓専門医
日本透析医学会専門医

4.診療科概要

当院では、検尿異常から末期腎不全・慢性透析療法、腎移植まで、広範囲にわたる腎疾患の診療を行っています。
さらに、当院は、急性期疾患を扱う地域基幹病院であるため、各診療科とも高度医療を実施していますので、必然的に急性腎障害、水電解質・酸塩基平衡異常の症例数も豊富です。
これらの症例を通して、腎臓内科医としての腎疾患そのものに対する診療能力はもとより、全診療科で発生する体液異常・腎不全などに対するconsultationに対応できる能力を身につけていただきます。
敗血症に代表される重症感染症などのICU管理が必要な、いわゆるcritical nephrology領域の急性腎障害も、呼吸・体液・循環動態などの全身管理ができる能力を習得してもらいます。

また、末期腎不全・慢性透析患者では、骨・関節疾患、動脈硬化性臓器障害、感染症、栄養障害などを合併することが多く、これらへの対処も必要であることから、general physicianとしての高度な診断・治療能力も修得できます。
血液浄化療法については、血液透析、CAPD、持続的血液透析濾過、アフェレーシスなど全て実施可能です。心臓血管外科と共同で内シャント造設術を実施しており、シャント狭窄に対しては経皮的内シャント拡張術も行っております。
臨床研究は独自で行うとともに、大阪大学医学部腎臓内科グループとの共同研究も実施しています。

教育施設認定学会:
日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会

設備 実績
血液透析(血液透析室) 20床
血液透析濾過機(ICU)  4台
透析導入 40例/年
CAPD患者 10例
腎生検  45例/年

5.プログラムの目的

一般内科医および腎臓内科医として必要な知識、技能を習得する。

6.プログラム内容

1)疾患の診断・治療の習得

腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全などの代表的な腎疾患のみならず、高血圧、糖尿病、膠原病などの腎臓病に関連した疾患、あるいは2次的な腎疾患の診断・治療を学びます。

2)経皮的腎生検術、腎病理診断能力の習得

疾患の診断に重要な腎生検の技術および病理診断能力を身に付ける。他病院との腎疾患合同病理カンファレンスにも参加します。

3)保存期腎不全患者の腎機能進展抑制療法、合併症予防法の習得

保存期腎不全患者において、腎機能進展を抑制し合併症を予防するための治療・管理法を習得します。

4)透析療法の習得

透析(血液透析、腹膜透析)患者のインフォームドコンセントの取得、アクセス作成から導入、および維持期の管理法を習得します。また、長期透析時の合併症の予防・早期診断・治療法を学ぶ。
また、内シャントの機能評価法、管理法について学び、狭窄時には適切に経皮的シャント拡張術を実施出来るようになる。

5)その他の血液浄化療法

多臓器不全、SIRSなどICU・救急領域における血液浄化療法の施行・管理法を学びます。また自己免疫疾患、肝不全、神経疾患などに対する血漿交換、血液吸着など全ての血液浄化療法に関する知識・技術を習得します。

6)水・電解質・酸塩基平衡異常の診断・治療能力の取得
7)腎移植

腎移植は当院泌尿器科で生体腎移植のみ施行しており、周術期の管理を中心に学びます。また、大阪大学腎移植グループでの短期研修も可能です。

8)学会発表

日本内科学会、腎臓学会、透析医学会などの関連学会で発表を行います。臨床論文の作成を行い、それぞれの学会の専門医取得をめざします。

9)カンファレンス

定期的に、症例検討会、抄読会、腎生検病理検討会などを実施します。また、他病院との合同カンファレンスも適時実施します。

10)その他

希望に応じ、大阪大学医学部腎臓内科〈削除〉との人事交流も可能です。