IVR
IVR(アイブイアール)とは
放射線科で使用する画像診断装置を利用して行う処置や治療を総称して「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」、日本語では「画像下治療」と訳しています。「血管内治療」とも言われています。
対象疾患と診療内容
IVRはさらに血管内治療(vascular IVR)と非血管内治療(non-vascular IVR)に大別されます。
1.血管内治療(vascular IVR)
カテーテルという細い管を血管の中に進めて行う治療で、主に以下のものがあります。
CVポート造設(CVポート留置、CVポート埋め込み)
全身化学療法や在宅高カロリー療法のためのCVポート造設(中心静脈ポート)を行います。他施設からのご依頼にも対応いたします。当科では外来でCVポート造設します。
お問い合わせ
電話:06-6441-5463(地域連携室)までお問い合わせください。
悪性腫瘍に対する動注化学塞栓療法や動注化学療法
肝臓がんに対する動注化学塞栓療法(TACE)や動注化学療法を行います。
動脈性出血に対する血管塞栓術
内視鏡で止血困難な消化管出血、外傷性出血に対する動脈塞栓術/ステントグラフト内挿術。喀血や持続性の血痰に対する気管支動脈塞栓術(BAE)を行います。
動脈瘤や動静脈奇形に対する動脈塞栓術
内臓動脈瘤や体幹部の動静脈奇形(肺動静脈奇形等)に対する血管塞栓術を行います。
門脈圧亢進症に対する治療
肝硬変に代表される慢性肝疾患に伴う門脈圧亢進症に対する治療を行います。
BRTO:胃静脈瘤やその他の門脈体循環シャントに対する治療
PTS:胃静脈瘤や食道静脈瘤に対する経皮経肝的門脈体循環シャントに対する治療
術前門脈塞栓術
機能廃絶術
症候性多発性嚢胞腎や腎血管性高血圧に対する腎機能廃絶術や高度の脾機能亢進症に対する部分脾動脈塞栓療法(PSE)などを行います。
腎(主に腎血管筋脂肪腫)に対する動脈塞栓術
副腎静脈血サンプリング
機能性副腎腺腫の確定診断を目的にカテーテルを用いて副腎静脈から直接採血します。
手術の適応を決定する上で重要な検査です。
経皮的血管内異物回収
上/下大静脈症候群に対する大静脈ステント留置術
がんによる浸潤、圧迫により血液を心臓へと返す大血管(上/下大静脈)が通過障害を起こすことがあります。強い浮腫みが生じ、生活に支障をきたすことがあります。ステントと呼ばれる金属性の筒を留置し血流を改善しようとすると治療です。症状緩和効果が期待されます。
リンパ管造影
2.非血管内治療(non-vascular IVR)
体表から病変部に対し専用の針やカテーテルを直接進め、病変の治療を行ないます。血管の中から治療する血管内治療に対し、非血管内治療とよばれ、主に以下のものがあります。
生検(Biopsy)
主にCTガイド下生検を行います。特に超音波で穿刺困難な肺腫瘍や縦隔腫瘍、腹腔内深部の腫瘤性病変の確定診断を目的として施行します。特殊な生検としては静脈内から臓器生検を行なう経静脈的生検(肝など)も施行可能です。
ドレナージ(Drainage)
体の中の膿や血液その他の液体を対外に排泄させる治療です。膿瘍ドレナージや症候性嚢胞ドレナージなどがあります。
IVR外来
IVR外来は下記のごとく行っております。受診をご希望の方はお電話にて御予約ください。
【診察日】・・・月・水・金曜日(いずれも14:00~15:00)
【担当医師】・・北山医師(日本IVR学会専門医)
※お問い合わせ 及び 診察のご予約は、地域連携室 まで
各医療機関の先生へ
当科では各医療機関の先生からの御依頼も幅広く承っております。
御相談でも結構ですのでお気軽に御連絡頂けたらと思います。
最終更新日:2023年11月05日