独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院

診療科のご案内

~放射線治療について~

~放射線治療について~

高精度放射線治療

当院の放射線治療システム

放射線でがんを治療できる理由

放射線治療のながれ

副作用について

放射線治療にかかわるスタッフ

放射線治療を安全に行う体制

放射線治療を受けられる方

高精度放射線治療

当院では高精度放射線治療として、2016年より強度変調放射線治療(IMRT)、2017年より体幹部定位放射線治療(SBRT)を開始しました。

強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療(IMRT)とは周りの正常組織を避けることで副作用を抑えながら、がんに対して多くの放射線を照射する放射線治療です。IMRTでは複雑な照射方法と治療計画技術が必要なため、専用のコンピュータ等のシステムを使用します。治療開始は位置決定の約2週間後となりますが、この間に人体を模した模型等を使用してリハーサルを行い治療計画に問題がないかチェックを行います。

体幹部定位放射線治療(SBRT)

体幹部定位放射線治療(SBRT)とは主に肺や肝臓にある小さながんだけを狙って集中的に放射線を照射する放射線治療です。小さながんを狙うため、固定具を使用して体の動きを抑えたり、照射のタイミングで息を止めてもらいます。当院ではFFF(フラットニングフィルタフリー)といわれる高線量率放射線を利用して患者さんの負担の少ない治療を実現しています。

ピンポイントで照射をするため適応には限りがあります。

画像誘導放射線治療(IGRT)

治療開始直前にリニアックに付属しているX線撮影装置でX線撮影やCTを撮影します。撮影した画像をもとに治療する位置を微調整することで再現性の高い放射線治療が可能となっています。

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当院の放射線治療システム

当院ではリニアック(直線加速装置)によって発生させる、高エネルギーX線または電子線で治療をおこなっています。

リニアック  Infinity  Elekta 
治療計画装置  Monaco  Elekta 
治療計画装置  Pinnacle3  PHILIPS 
治療計画用CT  Aquilion LB  Canon 
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放射線でがんを治療できる理由

放射線が照射された細胞は、増殖(細胞分裂)する能力を失ったり、死滅するためその数が減少していきます。放射線はがん細胞だけでなく正常細胞にも同じ作用をしますが正常細胞はがん細胞に比べると回復力が強いため、多くの場合放射線を照射する前の状態に回復します。放射線治療ではこの特性を利用してがん細胞を減らしていきます。

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放射線治療のながれ

(1) 放射線治療の説明

放射線治療医は、画像検査・血液検査などの結果を参考にして、診察をした上で放射線治療について、患者さんやご家族に説明します。放射線治療をするその目的は何か。治療によってどのような副作用がおこりうるのか。放射線治療のメリットとデメリットを納得するまで聞き、治療をするかどうかを決めることが大切です。

(2)位置決定と照射位置のマ-キング

寝台の上に寝てもらい治療に適した姿勢を決めます。治療中は同じ姿勢を保つことが大切なので痛み等があれば遠慮なく伝えてください。姿勢が決まると専用のCTを使って治療する部位を中心に撮影します。この時、皮膚に油性マジックや特殊シールを使って目印となるマークを描きます。このマークは治療が終了するまで消したり、はがしたりしないようにしてください。

(3)治療計画

がんに十分な放射線が照射されるようにどの方向から、どれくらいの量を、何回に分けて照射するのが最適か検討しながら治療計画を立てます。一方向からの治療のこともあれば、いくつもの方向から照射する場合もあります。出来上がった治療計画に問題がないかを医学物理士、放射線治療品質管理士が確認します。

(4) 放射線の照射

位置決定から数日後に治療を開始します。毎日の治療では、皮膚に描かれたマ-クを基準に身体の位置を合わせ照射します。治療に要する時間は、治療室に入ってから出てくるまで15~20分程度で、実際に放射線が照射されている時間は1分程度です。

(5) 治療の期間

月~金曜日までの週5日、数週間にわたって治療します。どのくらいの回数を治療するかは、治療の目的、身体の状態などにより異なりますが、10~35回程度です。

(6) 通院での治療

入院して治療するのは手術直後や、抗がん剤治療をあわせる場合等で、今までどおり仕事を続けながら通院で治療をしている方もおられます。

(7)放射線治療が終わった後の診察について

治療が終わった後は治療効果をみるためや、後から出てくるかもしれない副作用に対応するためにも診察を受けて下さい。これまで診察を受けていた診療科が基本となります。

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○放射線治療を受けられるかたには安心して治療を受けられるようにパンフレットをお渡ししています。

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副作用について

がんに対する他の治療と同様に放射線治療にも副作用があります。副作用(デメリット)よりも、治療によって得られる効果(メリット)のほうが大きいと、患者さんや担当医が考えた場合にのみ、治療が実施されます。

疲れる、食欲がなくなるといった全身の症状が出ることもありますが、主な副作用は治療する部位に出てきます。副作用が出てくる時期は、放射線治療中または終了直後のもの(急性期)と、終了してから半年から数年たった後からのもの(晩期)があります。

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放射線治療にかかわるスタッフ

当院では、放射線治療医、診療放射線技師、看護師(外来・病棟)、受付事務員、その他の部門が協力して治療を行っています。

○放射線治療医

放射線治療の方針決定、治療計画、治療中・治療終了後の診察などを行います。

○診療放射線技師

最適な照射方法、線量分布などを担当医とともに決め、計画された部位へ放射線を照射します。治療装置の保守管理なども担当しています。

○看護師

専門的な知識や技能を持つ専門・認定看護師を中心に、治療開始時には治療についての説明、治療期間中は体調や副作用など患者さんの状態についてかかわっています。気になったことは気軽に相談してください。

○医学物理士・放射線治療品質管理士

治療計画のチェックや治療装置・関連機器の精度管理にかかわっています。

○受付事務員

毎日治療に来られた患者さんが最初に出会うスタッフです。受付とともに更衣室への案内、書類の整理など様々な業務に携わっています。

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放射線治療を安全に行う体制

計画通りに治療が行われているかをチェックすることは、放射線治療でとても重要なことです。

治療部位が計画通りかは、治療開始前に治療装置でX線撮影やCT撮影を行って確認をします。指示通りの放射線量が照射されているかは、定期的に放射線量を測定して確認しています。装置に異常がないかは毎日、毎月の点検項目に則り定期的な確認を行っています。これら全ての確認項目について診療放射線技師間でダブルチェックを行ったのち、医師、医学物理士、放射線治療品質管理士による最終確認を行っています。

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放射線治療を受けられる方

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最終更新日:2024年10月28日

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