独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院

診療科のご案内

心臓リハビリテーション

当院では以前から行ってきた入院中の心臓リハビリテーションに加え、2012年より通院での心臓リハビリも行っています。

≪概要≫

心臓リハビリテーションは、「身体的・精神的・社会的状態を回復、良好に維持し、背景となる動脈硬化を改善するのに必要な行動」を指し、心臓病後の社会復帰と再発の予防に重点が置かれるようになりました。そのため、リハビリテーションの内容は運動療法による身体機能や運動耐容能の改善のみならず、冠動脈危険因子の改善に必要な食事療法のための栄養指導や禁煙指導、服薬指導など多くの内容を含んだものとなっています。これにより、病気の再発予防と心臓機能の改善を行い、患者さんの生活の質を高め、生命予後の改善を目指しています。

☆☆こんな方にお勧めします!☆☆

  • 運動したいけど、どうしてよいのかわからない
  • 心臓病が悪くならないか心配で運動できない
  • 一人では続かない
  • 治療を受けた病院が遠くてリハビリ通院ができない

(※保険適応は発症・術後150日間です)

≪当院での取り組み≫

入院・通院を通じて、運動療法・教育プログラム(「心臓病教室」)を行っています。

● 各部門・専門診療科と連携し、包括的な心臓リハビリテーションを目指します。

安全かつ有効な運動療法を行うために心肺運動負荷検査(CPX)を行います。

自分で健康管理ができるようになることを目指します。

≪通院心臓リハビリについて≫

毎週:月~金、時間:15:00~16:00(受付14:45~)

準備体操(柔軟体操)・レジスタンス運動・持久運動(自転車エルゴメーター)・整理体操を組み合わせた約 60分の運動療法を行っています。

【当院の結果】

これまでに参加された方の平均年齢は 67歳、男女比 2:1でした。

(※肥満:BMI>25、心機能低下:EF<55%)

(図:1年毎の症例数とのべ参加者数) (表:参加者の適応、基礎疾患)
適応疾患 (%) 基礎疾患 (%)
急性心筋梗塞 44.3 高血圧 75.0
狭心症 15.9 高脂血症 63.6
開心術 14.8 糖尿病 39.8
大動脈疾患 3.4 高尿酸血症 18.2
慢性心不全 21.6 肥満 39.8
閉塞性動脈硬化症 0 心機能低下 48.9
(表:運動耐容能と筋力) (表:BMI、血液検査)
開始時 終了時 改善率 開始時 終了時
最高酸素摂取量(%) 57.4 66.3 15.5% BMI 24.4 24.4 NS
最大負荷量 67.6 81.3 20.3% eGFR(ml/min) 64.5 62.1 NS
嫌気性代謝閾値(%) 57.8 65.5 13.3% BNP(pg/ml) 159 95.3 <0.05
6分間歩行距離(m) 379.3 464.9 22.6% LDL(mg/dl) 97.7 92.5 NS
握力 右(kg) 27.3 30.8 12.8% HDL(mg/dl) 47.7 52.8 <0.001
握力 左(kg) 26.0 30.0 15.4% TG(mg/dl) 139 162 NS
下肢伸展筋力 右(Nm) 174.5 239.2 37.1% HbA1c(%) 6.4 6.3 NS
下肢伸展筋力 左(Nm) 174.0 231.7 33.2%

通院での心臓リハビリテーションにより運動耐容能と筋力が改善しました(p<0.001)。
BMMI(肥満の指数)、LDL(悪玉コレステロール、HbA1c(血糖値の指標)を適正に維持し、HDL(善玉コレステロール)は改善しました。

≪運動負荷試験について(心肺運動負荷試験:CPX)≫

安静時の心機能は日常の活動能力を反映しないため運動負荷試験を行います。

CPXでは最高酸素摂取量や嫌気性代謝閾値など、運動処方に役立つ多くの情報を得ることができます。

自転車エルゴメーターと呼ばれるペダルをこぐ装置を用いて徐々に運動負荷をかけながら、装着したマスクから呼気ガス中の酸素と二酸化炭素の量を計測します。同時に心電図や血圧を測定し、自覚症状や検査の値を見ながら医師の立会いのもとで安全に行います。


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最終更新日:2023年11月05日

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