独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院

診療科のご案内

肩関節

対象疾患

●肩腱板断裂

●反復性肩関節脱臼(肩関節不安定症)

●変形性肩関節症

●肩腱板断裂性関節症

●肩関節周囲炎(凍結肩・癒着性肩関節包炎・拘縮肩・いわゆる五十肩)

●肩石灰性腱炎

●肩関節周囲骨折

主要な疾患に対する治療方針

肩腱板断裂

肩関節の挙上動作には腱板と呼ばれるインナーマッスルが重要な役割を果たします。これが断裂すると、肩関節の挙上困難、疼痛、引っ掛かり感などの症状が出現します。原因としては、打撲や重量物の保持による肩関節への急激な負荷や、腱そのものの加齢性変化などが考えられます。当院では、MRI検査や超音波検査による正確な診断のもと、患者様の症状やニーズに合わせ、注射や理学療法による保存治療、あるいは関節鏡(内視鏡)を使用した腱板修復術を積極的に行っています。

  肩腱板断裂に対する関節鏡下腱板修復術

左:術前 右:術後

傷口は、約1㎝の傷が肩の周りに4-5カ所のみで、非常に低侵襲です。

反復性肩関節脱臼(肩関節不安定症)

肩関節は人体の関節の中で最も脱臼しやすい関節で、転倒・打撲やスポーツによる負荷などが原因となります。脱臼によって、肩関節の安定性に重要な組織(関節唇、靭帯、関節包など)を損傷することで、脱臼や亜脱臼を繰り返し、より不安定な状態となります(肩が外れるのが癖になる)。当院ではレントゲン、CT、MR関節造影検査などの精密検査を行った上で、早期社会活動・スポーツ復帰を目指し、積極的に手術治療を行っています。

  反復性肩関節脱臼に対する関節鏡下関節唇形成術

(鏡視下バンカート修復術)

左:術前 右:術後

関節窩(肩関節の受け皿)から剥離・損傷した関節唇・関節包(▲)を、関節鏡下に修復します。

  関節鏡下烏口突起移行術

左:術前 右:術後

鏡視下バンカート修復術のみでは不安定性が残存すると思われる、関節窩骨欠損の大きな症例やラグビー選手などには烏口突起移行術を併用します。当院ではこの烏口突起移行術を低侵襲に関節鏡下に行うことも可能です。

変形性肩関節症・肩腱板断裂性関節症

膝関節や股関節と同様、肩関節も加齢に伴い関節軟骨がすり減ることで、骨同士が擦れることで可動域の制限や疼痛(いわゆる関節症)をきたします。保存治療の効果が乏しい場合には、解剖学的人工肩関節置換術を行っています。また、腱板断裂により関節症を引き起こしている場合(肩腱板断裂症性関節症)や修復困難な広範囲腱板断裂に対しては、リバース型人工肩関節置換術も導入しています。当院ではCTデータを基に3Dプリンターを用いて、患者さん個々の実物大の立体骨モデル(3次元実物大骨モデル)と骨切りガイドを術前に作成して、術中にそのモデルやガイドを使用して正確に人工関節の設置を行っております。

変形性肩関節症・関節リウマチ・腱板断裂性関節症

保存的加療の効果が乏しい場合に手術療法を行います。関節破壊が強く、それらの処置では疼痛が改善されないと判断された場合は人工関節置換術を行います。リバース型人工肩関節も導入しております。

  変形性肩関節症に対する解剖学的人工肩関節置換術

左:術前 右:術後

軟骨がすり減り、肩の関節裂隙(関節の隙間)が消失している症例には、解剖学的人工肩関節置換術を行います。

  腱板断裂症性関節症に対するリバース型人工肩関節置換術

左:術前 右:術後

腱板断裂を放置すると、腱板修復は不可能となり、腱板断裂症性関節症となります。この場合にはリバース型人工肩関節置換術を行います。

  人工関節における術前3D計画と実物大臓器モデル

左:術前3D計画

中:実物大臓器モデル(肩甲骨と移植骨)

右:術後CT

骨欠損の高度な症例にも3D術前計画と実物大臓器モデルを作成することによって正確な人工関節や移植骨の設置が可能となります。

肩関節周囲炎(凍結肩・癒着性肩関節包炎・拘縮肩・いわゆる五十肩)

膝関節や股関節と同様、肩関節も加齢に伴い関節軟骨がすり減ることで、骨同士が擦れることで可動域の制限や疼痛(いわゆる関節症)をきたします。保存治療の効果が乏しい場合には、解剖学的人工肩関節置換術を行っています。また、腱板断裂により関節症を引き起こしている場合(肩腱板断裂症性関節症)や修復困難な広範囲腱板断裂に対しては、リバース型人工肩関節置換術も導入しています。当院ではCTデータを基に3Dプリンターを用いて、患者さん個々の実物大の立体骨モデル(3次元実物大骨モデル)と骨切りガイドを術前に作成して、術中にそのモデルやガイドを使用して正確に人工関節の設置を行っております。

最終更新日:2023年11月06日

PageTop