薬剤管理指導室
病棟薬剤業務
22013年4月から病棟に専任薬剤師を配置し、病棟薬剤業務をはじめました。
2022年4月現在、12病棟と脳卒中ケアユニット(SCU)、特定集中治療室(ICU)に専任薬剤師がいます。
薬剤師が病棟にいることで医師や看護師と連携がとりやすくなり、患者さんからの薬の相談にもスムーズに対応でき、より安全に薬の治療が行われるよう貢献できるようになりました。
持参薬の確認
持参薬とは患者さんが入院時に持ち込まれる薬のことで、のみ薬・目薬・吸入薬・貼り薬・ぬり薬・注射薬(インスリンなど)をすべて含みます。それ以外にも普段から使われている健康食品やサプリメントなども使用状況を確認し、のみ合わせに問題がないか、今後の治療に影響がないかなどを薬剤師が確認しています。
調べた内容は医師に報告しています。
薬剤管理指導
薬剤師は毎日病棟へ行き、患者さんが持参された薬やこれから受けられる治療で処方される薬に関して、治療が順調に進められるよう医師や看護師をはじめ他の医療スタッフと協力し情報交換を行っています。
また、実際に患者さんのベッドサイドに出向き、薬による治療を安全に受けられるよう、医師から処方された薬の働きや正しいのみ方、副作用について説明をしています。
病棟で見かけられることがありましたら、お声を掛けてください。患者さんやご家族からのくすりに関するご相談は、随時お受けしています。
TDM(薬物血中濃度モニタリング)
お酒を飲んだ時に、コップ1杯程度でも真っ赤になる人・全く変わらない人がいるように、お薬も同じ量を服用しても、効果には個人差があります。
お薬の効果は、飲んだ薬の量ではなく、血液中の薬物の量(血中濃度)で決まります。
同じ量のお薬を服用しても個人差があり、同じ血中濃度は得られません。
血中濃度が治療域の中に入っていれば有効ですが、それ以上であれば中毒域(副作用が出やすい)、また、それ以下であれば非有効域(薬の効果が不十分)ということになります。 このように、血中濃度を測定し、投与中のお薬の血中濃度が有効域に維持されるよう、患者さん個々の投与量の確認・投与設計を行うことがTDMです。
当院では、さじ加減の難しい薬について患者さんの体重や性別、腎臓や肝臓の状態、薬の服用(投与)時刻、血液中の薬物濃度などの情報をもとにコンピューターで解析し、その患者さんにあったお薬の量や服用(投与)間隔を設計し、より効果的な薬の使用および薬物血中濃度の上昇による副作用の早期発見に努めています。
【対象薬物】
- 強心剤:ジゴシン・ラニラピッドなど
- 抗てんかん薬:アレビアチン・デパケン・フェノバールなど
- 抗菌薬:バンコマイシン・ゲンタシンなど
- 免疫抑制剤:ネオーラル・プログラフなど
- 抗不整脈薬:ベプリコール・アンカロンなど
- 気管支喘息治療剤:テオドールなど
- その他
眼科集団指導
薬剤部では、白内障や緑内障等の手術を受けられる患者さんを対象に、集団点眼指導を行っています。
主に次のような内容を説明しています。
①手術前後に使用するお薬
②目薬の適正使用・保管方法・使用期限
手術後の感染予防や炎症を抑えるために、複数の目薬が処方されますので、正しい点眼を実行していただくことが必要です。
説明を聞くだけでは実践が難しいと思われますので、説明の途中に目薬のさし方の模擬練習を織り交ぜながら、患者さんひとりひとりの理解を得られるよう努めています。
最終更新日:2023年11月06日