泌尿器科
ふくはら しんいちろう
- 役職
- 泌尿器科診療部長
- 経歴
- 2000年3月 大阪大学医学部医学科卒業
- 専門分野
- 泌尿器腹腔鏡手術、ロボット支援下手術
泌尿器癌(手術、薬物)、排尿機能
男性生殖(不妊症)、男性性機能、男性更年期
- 資格
- ●医学博士
●大阪大学 招聘准教授
●日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医・指導医、代議員
●日本泌尿器内視鏡ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医、泌尿器ロボット支援下手術プロクター、代議員
●日本内視鏡外科学会 技術認定医
●手術支援ロボット(Da Vinci、Hinotori)コンソールサージャン
●日本生殖医学会 生殖医療専門医・指導医、副幹事長、代議員
●日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
●日本性機能学会 性機能専門医、代議員
●日本排尿機能学会 排尿機能専門医、代議員
●日本アンドロロジー学会 評議員
●日本メンズヘルス医学会 幹事
●日本生殖内分泌学会 理事
●泌尿器科分子・細胞研究会 評議員
●日本抗加齢医学会 評議員
●臨床研修指導医養成講習会 修了
●緩和ケア研修会 修了
●REZUM施行医
対応可能な症例
経験豊富なロボット支援下手術プロクター(指導者)2名が在籍しており、クオリティの高い低侵襲治療を行えます。
泌尿器癌、排尿機能はもちろんですが、すべての病院で扱っていない男性不妊症、性機能、男性更年期分野といった泌尿器科の分野もながらく専門としており、泌尿器科すべての分野に質の高い医療を提供いたします。
大阪大学とも強い協力関係にあり、最先端の治療を提供いたします。また病診連携も積極的にすすめてまいりますので、どのような症例でもご紹介いただければ幸いです。
特徴
●常勤医3名全員が泌尿器科専門医・指導医です。
●泌尿器科疾患全般に迅速に対応します。
●腎癌、前立腺癌、膀胱癌に対してはダビンチを用いたロボット支援手術を行っています。
●精巣内精子採取術や精索静脈低位結紮術など顕微鏡下手術も行っています。
●前立腺肥大症に対して、低侵襲外科治療であるREZUM®を用いた経尿道的水蒸気治療を行っています。
●腎臓内科と協力して、生体腎移植を行っています。
血液型不適合腎移植、夫婦間腎移植、入前の先行的腎移植も実施しています。
診療実績
年間手術件数 | 件 |
---|---|
ESWL以外 | 242 |
ESWL | 8(8 名・20 回) |
開放手術 | 44 |
腎摘除 | 1 |
腎部分切除 | 2 |
膀胱摘除 | 4 |
膀胱部分切除 | 1 |
回腸導管造設 | 3 |
陰嚢内容手術 | 3 |
陰茎手術 | 1 |
骨盤内リンパ節郭清 | 1 |
尿道手術 | 7 |
その他 | 18 |
内視鏡手術 | 145件 |
経尿道的膀胱腫瘍切除 | 70 |
経尿道的尿管砕石 | 20 |
経尿道的前立腺切除 | 13 |
直視下内尿道切開 | 7 |
経尿道的膀胱砕石 | 10 |
経尿道的止血 | 4 |
経尿道的検査 | 6 |
その他 | 15 |
腹腔鏡手術 | 15件 |
腎(尿管)摘除 | 13 |
腎部分切除 | 2 |
診療指針
泌尿器科は、腎臓・尿管・膀胱・尿道の尿路、前立腺・精巣などの男性生殖器、副腎などの病気を診断・治療する診療科です。人口の高齢化に伴って前立腺疾患や各種の泌尿器がんが増えてきていますが、その他にも小児から高齢の方に至るまで男性・女性を問わず腎・尿路の病気について診療させていただくのが泌尿器科です。
近年では、患者さんの高齢化に伴って泌尿器科以外の疾患を併せ持っておられることも多く、他の診療科と横断的に協力しつつ、患者さんの体全体を診療するというチーム医療も大切にしています。
当院の泌尿器科の歴史は旧く、早い時期から泌尿器科の看板を掲げてきました。当科では、狭い泌尿器科対象疾患をさらに細かく専門化することなく、泌尿器科守備範囲の病気全体の診療に鋭意努力しています。交通のアクセスも良く、大阪府はもとより広く近隣の府県からの患者さんも来訪されています。
特徴
泌尿器科学会教育認定施設
●泌尿器科専門医・指導医3人
当院泌尿器科では、非常にまれで特殊な専門性を必要とする疾患以外、すべての泌尿器科疾患の診療を行っています。主な疾患は、腎臓がん・腎盂尿管がん・膀胱がん・前立腺がん・精巣がんなどの泌尿器がんのすべて、尿路結石症、前立腺肥大症やその類縁疾患、神経の異常による排尿異常(神経因性膀胱)、尿失禁、小児を含む尿路奇形、副腎や副甲状腺などの内分泌疾患、尿路感染症、男性不妊症、性機能障害などが中心です。怖がったり、恥ずかしがったりせずに泌尿器科の病気の心配があれば、早めにご相談下さい。患者さんのご意向を反映しつつ適切な治療法を一緒に考えてみましょう。
血液透析は当院の腎臓内科が担当しています。
紹介予約をお取りでない初診患者さん以外は、すべて予約制で診療しています。ただ、初診の患者さんやセカンドオピニオンを求められる患者さんの診察も再診診療の間に入ってきますので、予約時間通りに診療できないことがあります。この点は、ご了承下さい。
一年間の手術件数は体外衝撃波砕石術や前立腺針生検・レントゲン下小手術などを除いて約200例超で、各種の泌尿器科がん・前立腺肥大症・内分泌外科関係などの手術を多く行っています。
尿路結石の体外衝撃波砕石術は短期入院で行っています。
最近は、前立腺がんの疑いのある患者さんが多く(前立腺特異抗原:PSAの上昇が見られる方)、前立腺針生検を1泊2日でおこなっています。
前立腺癌、腎癌、膀胱癌の治療はDa vinci®を用いたロボット支援手術を行っています。
副腎疾患の治療は腹腔鏡を用いた鏡視下手術による低侵襲治療を行っています。
精索静脈瘤に対しては、顕微鏡を用いた顕微鏡下低位結紮術を行っています。
腎臓内科、大阪大学泌尿器科とタイアップして、2006年から生体腎移植を行っています。近年全国的に増加している血液型不適合腎移植も実施しています。
当院では消化器外科や婦人科などの腹部臓器を扱う診療科との合同手術など、各診療科の枠を超えた横断的医療も積極的に行っています。
物理的に余裕がありませんので、美容外科的な包茎手術や避妊目的の精管結紮術(パイプカット)はご遠慮願っております。
当院の術後5年生存率(全ステージで)
腎癌: 88% (70-80%)
腎盂尿管癌: 73% (65-75%)
膀胱癌: 48% (40-65%)
前立腺癌: 100% (96-98%)
※カッコ内は他施設の成績
REZUMによる前立腺肥大症に対する経尿道摘水蒸気治療について
経尿道的水蒸気治療(WAVE治療)は水蒸気を用いて前立腺を縮小させ、肥大症を治療します。低侵襲かつ異物を体内に残さずに治療することが可能になります。2022年9月から本邦で行えるようになった(保険適用です)体に負担の少ない新しい前立腺肥大症の内視鏡手術です。日本でも徐々に広まりつつありますが、福島地区では初の導入施設となり、当院では2024年11月よりこの治療を開始いたしました。
Rezum(レジューム)というシステムを使用し、103℃の水蒸気を約9秒間噴霧し、前立腺組織を約70℃まで上昇させ組織を壊死する治療を行います水蒸気を利用しているため対流によってムラのない治療効果が実現されました。アメリカでの多数例の報告では、術後5年経過時点においても効果は安定しており、再手術率は低く(2%台)、また従来の手術に比べて性機能が維持されることが示されています。治療時間は10分程度で、治療効果はおおよそ2週間から1ヶ月程度で、排尿状態の改善が期待できます。
前立腺肥大症による排尿障害等があり、薬物療法で充分な治療効果が得られない場合や尿閉や尿路感染などの合併症がある場合WAVE治療の適用が考慮されます。また抗凝固薬等を中止することなく行えるため、全身状態や基礎疾患により周術期リスクが高く一般的な手術療法が困難な方に適用されます。治療する前立腺のサイズは30~80mLの大きさが適当とされています。実際の適用等につきましては外来時に泌尿器科医師にご相談ください。
インフォームドコンセント
当科では患者さんに病状と治療法を充分に説明します。患者さんにもこれを充分にご理解いただいて「説明と同意」(インフォームドコンセント)にのっとって診療をおこなっています。病気を治すのは、私どもと患者さんの共同作業だからです。
セカンドオピニオン
複雑な疾患では他の病院の診断結果・治療方針に対する第二の意見(セカンドオピニオン)にもお応えできるよう態勢体勢を整えています。セカンドオピニオンをお求めの際には、その疾患に関する紹介状・レントゲンフィルムなどの判断材料をお借りになってご来院下さい(どこの病院でも紹介状は書いてくれますから、セカンドオピニオンを求めるためとはっきり言ってお願いして下さい)。
また、当院の泌尿器科の診断や治療方針について他の病院にセカンドオピニオンをお求めになられることも尊重しています。
かかりつけ医(ホームドクター)をお持ちになるようお勧めします。
ホームドクターの専門診療科にかかわらず、当院では地域中核病院としてホームドクターからの紹介や当院からのホームドクターへの医療情報連絡を通じて、当院で行わなければならない診療とお近くのホームドクターにお願いできる診療の分業を患者さんのご負担と利便を考え推進しています。かかりつけの先生を通じて初めてのご受診の際には初診の予約をとることも可能です。
当院受診の際には是非ともご自分のお体の問題や服用されているお薬の情報を診療情報提供書としてご持参下さい。手術や処置・検査に危険を及ぼすお薬が処方されている場合が多々ありますので、そのような危険性を避けるために必要です。
個人情報の保護については、全病院的に情報の使用目的を限定し、また、他の目的に使用せざるを得ない場合には、個々の患者さんのご同意を条件としております。
外来・領域・専門外来
当科では泌尿器科疾患を細分化せずに、広く泌尿器科全般の疾患をスタッフ一同で取り扱うようにしています。
ただし、非常に特殊な疾患や、新生児の手術などは、しかるべき病院にご紹介いたします。また、専門外来については、スペース・医師数の関係で特に設けていませんが、判断の難しい疾患についてはスタッフ一同でカンファレンスを行って詳細に検討しています。
お知らせ
最終更新日:2024年11月05日