消化器内科
かねこ あきら
- 役職
- 副院長・消化器内科診療部長
- 経歴
- 1985年大阪大学医学部卒業
- 専門分野
- 消化器内科(特に肝臓)
肝炎、肝細胞癌の診断と治療
自己免疫性肝疾患
- 資格
- ●日本内科学会専門医・指導医・近畿支部評議員
●日本肝臓学会専門医・指導医・西部会評議員
●日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員
●日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
●日本医師会認定産業医
たつみ のぶゆき
- 役職
- 消化器内科部長(肝胆膵内科担当)
- 経歴
- 1993年 大阪市立大学医学部卒業業
- 専門分野
- 消化器内科
肝疾患全般、特に肝細胞癌治療
- 資格
- ●日本内科学会認定医・指導医
●日本病院総合診療医学会認定医
●日本消化器病学会専門医
●日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
●日本肝臓学会専門医・指導医
●日本ヘリコバクター学会認定医
特徴
消化器内科領域の指導医・専門医として診療活動と診療指導を行い、消化器内科医師及び各スタッフの協力により、近隣から救急搬送を含む依頼を断ること無く、昨年度は緊急入院の約600 名を含む新入院患者総数約2,300名の入院を担当しています。
診療内容
●肝疾患と肝細胞癌の診断と治療
●胆・膵疾患の取組
➤内視鏡的膵管胆管造影検査(ERCP)による診断・治療
➤超音波内視鏡検査(EUS)による診断・治療
➤膵癌の早期診断への取組
➤膵がんの診断・治療について
●肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)・経皮的エタノール注入術・マイクロウエーブ焼灼術・分子標的治療薬による治療
●良性消化管疾患(ヘリコバクターピロリ感染症等)と早期・進行癌の取組
●内視鏡による診断と治療、特に、消化管癌の早期診断と治療
●炎症性腸疾患(IBD)の取組
●上下部消化管内視鏡検査とダブルバルーン小腸内視鏡検査やカプセル内視鏡検査による診断と従来治療に加えて、生物学的製剤・分子標的治療薬による治療
●薬剤治療や内視鏡技術を活用した集学的診断と治療
診療実績
主な治療・処置 | 症例数 |
消化管ステント留置術 | 12 |
内視鏡的消化管出血止血術 | 157 |
内視鏡的胃・食道静脈瘤治療(EIS/EVL) | 42 |
内視鏡的消化管狭窄拡張術(食道・小腸・大腸) | 46 |
内視鏡的胆・膵治療・処置 | 254 |
肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼術・マイクロ波凝固術 | 40 |
胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | 7 |
消化管内視鏡検査・消化管早期癌・ポリープ内視鏡治療は除く
ご紹介
消化器グループは、内科の一員として、プライマリケアを初め全人的な診療が出来る基礎力を養いつつ、肝胆膵疾患および消化管疾患と、幅広い疾患分野を取り扱っており、常に最新の医療知識や技術の習得に邁進しています。
診療体制について
- 肝疾患、特にウイルス性慢性肝炎に対しては、肝臓病の進行を食い止めるためにインターフェロン治療を中心に肝臓庇護療法を積極的に行なっています。インターフェロンは少ないながらも副作用があるため、その使用時には注意を要しますが、ウイルス性慢性肝炎が日本での肝硬変や肝臓癌の大半を占めており、その阻止が肝臓病専門医の急務となっています.インターフェロン単独療法やペグインターフェロン療法、他の抗ウイルス剤であるラミブジン、リバビリンとの併用治療の適応につき肝臓専門医が判断します。またその他の肝庇護療法を組み合わせ、治療の副作用の率と期待される効果を十分検討し、一番適した治療法を選択することが重要です。また自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変などの診断治療も行っています。慢性肝疾患の中で最近の話題となっているのが非アルコール性脂肪肝炎いわゆるNASHです。従来脂肪肝と思われていた中に、肝硬変などに進行していく病態があることがわかってきています。生活習慣の改善、場合により薬剤での治療が必要です。
- 肝臓癌に対しては、より低侵襲治療を、より安全に行なうため、エタノール注入療法やマイクロ波凝固療法、ラジオ波凝固療法を積極的に行っています。また、肺に隠れて治療しにくい腫瘍も、当院で開発した人工胸水法や人工気胸法を用いて、低侵襲での治療を可能にしています。また、放射線科とタイアップしマルチスライスCTなどの画像診断を駆使して、診断や治療効果判定をより確実に行うようにしています
- 肝硬変に対しては、栄養治療を中心とした肝臓の予備能を改善させる治療を積極的に行っています。特に亜鉛補充療法については、他施設に先駆けて臨床に取り入れており、成果を挙げています。その他、腹水や食道静脈瘤の治療にも力をいれています。
- 上部および下部の消化管疾患に関しては、内視鏡センターと連係し、診断治療を行っています。特に最近大腸ポリープ症例が増えており、外来の大腸内視鏡の枠を増やしつつ、なるべく早期に内視鏡で診断治療できるように心掛けています。また早期胃癌に対しても適応症例をよく検討したうえでの内視鏡粘膜切除術での治療を行っています。2006年4月から、国立医療センターより道田医師が配属になり、通常の粘膜切除術で対処できないような症例でも積極的に粘膜剥離術(ESD)にて治療しています。潰瘍性大腸炎やクローン病など、炎症性腸疾患は難治性であることが多いですが、根気強い治療で多くの場合軽快させることができます。
- 胆嚢、膵臓疾患(胆石、胆嚢炎、胆嚢胆管癌、膵炎、膵癌など)で威力を発揮するのは、超音波検査はもとより、MRCPとよばれる検査です。胆管や膵管の画像を患者さんの苦痛なく得ることができるからです。
- また最近のトピックスとして、ヘリコバクタピロリという細菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの原因であることが分かり、注目を集めています。当院ではこのヘリコバクタピロリの感染の有無を胃カメラなどをしないでも診断できる呼気テストの機械を、臨床に役立てています。近所の開業医の先生より紹介状を内科外来へ持って来て頂ければ、直ぐに検査ができるようにしておりますので、かかりつけの先生に御相談下さい。
- 消化器の疾患はとても多く、それを診断治療する方法も多岐に渡ります。各々の検査や治療の意義を患者さんに理解していただけるよう、つまりインフォームドコンセントをしていただけるように力を入れており、年に数回消化器病懇話会と題して、病院内や福島区民センター、コミュニティープラザ大阪で医師、看護婦、薬剤師、栄養士による講演会を開いております(詳しくは病院内ポスター、年金病院機関誌をご覧ください)。
- 定期健康診断で肝機能が悪いといわれたり、便の血液反応が陽性といわれた方、家族や親戚に肝臓病の患者さんがおられる方、お酒をよく飲まれる方でみぞおち附近の腹痛がある方や下痢をしやすい方、慢性の肝胆膵疾患や大腸疾患の可能性があります。近所の開業医の先生に相談され、精密検査が必要であれば当院内科へ紹介して頂けるようお勧めします。慢性疾患は症状の軽いうちにこそ有効な治療が可能なのです。
消化器グループ関連の主な著書
●消化器ハンドブック、医薬ジャーナル社、1993
● 肝硬変患者のマネージメント 医薬ジャーナル社、1996
● C型肝炎、医学書院、1996
● 消化器学用語辞典、メデイカルレヴュー社、1999
● やさしい肝臓病の自己管理、医薬ジャーナル社、2000
● 肝疾患と生体元素、学会センター関西/日本学会事務センター、2003
最終更新日:2024年06月21日